軒先の風鈴 short story
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11 , 23
何度目かの:戦国BASARA




あまりにその臣の隣が心地いいものだから、彼はころりと寝転がって、その隻眼を閉じた。

あの夜



俺が疎いかと、醜いかと、

喉も裂けよとばかりに怒鳴った幼い彼に、臣はすわ若君御乱心と腰を浮かせた。
細い手首に支えられた白刃はしかし禍禍しい力を備えて、血の一滴も吸わねば気が済まぬとばかりに切っ先を輝かせている。

「殺さば殺せ!狂った俺を討ち取ったりと母上にでも言うがいい!」
さあ!

刀を大きく振りかざし、
顔を歪めて、

全身を巡る忌まわしい毒に耐え、

半呼吸の後にはそれが振り抜かれるーー

けれど、

「医者を」

「片倉殿!!」

何が何だか訳が分からぬ

ただ、刀を素手で掴んだ臣下の男が彼の手を引き、そのまま引き摺って行こうとしていることだけが、目前の事実だった。

何をする、お前も死にたいかと抗いながら言ってやるが、男は応えない。

やがて突っ込まれた部屋は暗く寒い所で、蝋燭が一本、申し訳程度に突っ立っているのみ。

男は蝋燭の許へ彼を引き摺ると、抑えつけるように荒く腰を落とした。

まったくの無言で蝋燭の火に小刀を翳す。

跳ね返った光が能面のように無表情な男の顔に深い陰影を刻んだ。

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